studioCampanella blog

どうも生きづらい貴方と僕と音楽と

2017-10

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

猫・続き

 
こないだのつづき。


 ペットを飼ったことが無いわけではないけど、犬猫を飼ったことはない。だから、そのヴィジュアルとしての可愛らしさ以上のものを彼らに感じた事は特になかったのだけど、最近はさすがに、猫、特に子猫が可愛いというのを、確かに実感するようになったよ。
 ここ数ヶ月ですっかり、連中が四六時中家の中に居座る生活になって、まったく、ベッドで毛布をかぶった自分の足の間に3匹も猫がいる状況なんて、想像したこともなかった。


 しかしだからといって、ペットかのように感情移入なんか、しちゃぁいけないよね。
 つまり、僕が連中の人格を無視して自分に都合良い存在として心の中で扱ってしまう、そのことの嫌悪感から逃れるため、そして恐らくは急に連中が現れなくなった時のために、僕はあくまで連中に名前をつけずに、人見知り程度の扱いをしている。
 やつらはあくまで見知らぬ他人、小煩く可愛い動くオブジェだ。




 そんな距離感でいるのだけど、実は最近になって、妙な感情移入というのか、なんだか急に仲間感覚のようなものを感じてしまった。 仲間感覚?


___________________


 感情移入、ったって連中、白猫弟以外は大して懐きもしないし、子猫はいくら可愛いったって見た目や仕草が可愛いだけじゃ感情移入なんざ出来ないよ。白猫姉は憎らしい顔で威嚇してくるしで、やつらは全く愛玩対象じゃない。むしろ隣の部屋を占拠されっぱなしで、最近はどっちかっつうと邪魔だと思うことも多い。

 それでも、僕もやつらも、一度きりの生涯における今この時期のこの時間、それを儚くも無慈悲に消費するにあたり、お互いが存在するこの場所を、選択している。そういう実感が何故かふっと生まれちゃった。おまえらがどこの誰だか知らないが、まあ外は寒いしここは暖かいな。実にそれだけなのに、共有の業を感じてしまう同情的な仲間感覚、それが猫風情を相手にふっと生まれてしまって、和んで終わらせときゃいいものを、なんだか急に可笑しくなってしまった。


 だってさ、人間でも同じだよね、これ。渋谷のハチ公前に座ってみたところで同じはずなんだけどな。満員電車に揺られてみたって同じだ。上と同じ理屈で、周囲の人間はみんな、そこに居るだけで仲間だ。気ままで自分勝手だろうが、近寄っただけで威嚇されようが、そこに居るやつはそこに居るだけで仲間だ。
 いや、だって、俺らみんな人生を少しずつ終わらせている最中なんだもの。今という時間を各々のノスタルジーの向こうに追いやりながら、訥々と生命を消費して生きている。なんて哀しい。時間はすぐ経ってしまうし、僕らはいつまでもこの世界にいられない。なんて切ない。だから、これは同情だ。相手にも己にも等しく同情をかけるこの感覚。共有の業ゆえの、愛すべき仲間感覚。共有の業っていうのは、つまり死のことだったんだね。

 ……この仲間感覚は、理屈じゃ簡単だけど、実感を得ることはあんまり無い。
 普段一体、どこに隠れちゃうんだろうか。



___________________



 まあ一時の気の迷いでもいいんだけど、こんな風にまがりなりにも博愛主義めいた事を改めて実感しちゃうんであれば、僕は先に、人として、人間相手にこれをいくらでも実感するべきだった。猫なんざ出る幕じゃない。いくらでも実感しなきゃいけなかった。なのに、なんでだろうね、いつのまにかだ。人間相手にこんな博愛を生暖かく実感して生きるには、いつのまにか、何かが邪魔をするようになったんだと思う。
 電車に乗ったら後ろのおっさんがタマネギ臭かったんだ。なんでそんな臭いすんだよ、と、ああ、まったく不快だった。こんな人間と僕は仲間であるものか。おお、それだ。そう言いたいんだ。自分は違うと言いたいんだ。だから仲間感覚が無い。四海兄弟の精神は今時、それぞれの自尊心の遙か彼方だ。

http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%BB%CD%B3%A4%B7%BB%C4%EF&kind=jn


 相手と自分とが違うことなんて第三者が見りゃ解ることなのに、なんでわざわざ誰にも見えぬ心の中で、自尊心様のために不快を表明してみせねばならんのか。くだらないことだ。
 ここで悪さをしているのはその自尊心というやつで、己が価値観で物事を判断しているつもりで実は自尊心にお伺いを立てているうちは、この不快から逃れられない。つまり、タマネギくさいのはイヤだという価値観がおっさんを嫌うんじゃない。タマネギくさいのはイヤだという己の価値観が己の自尊心を刺激して、自分の都合で勝手におっさんを嫌うんだ。はき違えちゃいけない。その嘘は醜いんだ。その嘘に気付かずに価値観なんぞを振り回すと醜いんだ。~~に嫌悪感を感じるとか~~がむかつくとか。そう本気で言えることじゃない。
 まあタマネギくさいのは、多分人間生理的にイヤだと思うけど。

 だから、こうだ。電車の中で化粧する頭の悪そうな女が、自分を注意する人間に対し口答えすべき内容は、「そんなの価値観の違いだしー」 ではなく、「あんたの自尊心を押しつけるな!」 だ。うわーかっこいい!むかつく!





 ………無駄な不快から逃れ、会うひと誰にでも優しく在れる。どうしてもそれを目指したくなるのは、死ぬ準備がひとつ整う快感と安堵が、そこにはあるからだと思う。
 なんだか宗教めいてきたなぁ。いや、人生の幸福や成就なんてものは、宗教なんぞに頼らずに自分で考えたい。








 なんか、猫と遊んでただけなんだけどなぁ。
 こういうジャンルの事を今更考えちゃうなんて、ちょっとショック。



 | ホーム | 

FC2Ad

プロフィール

inazawa

Author:inazawa
E-mail : こちらへどうぞ(返信遅いです)
Web : www.studio-campanella.com

最近の記事

最近のコメント

リンク

月別アーカイブ

カテゴリー

検索フォーム

thanks Wikipedia

Wikipedia Affiliate Button

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。